「故事成語」とは、歴史上の出来事や古典文学などから派生した短い成句で、特定の故事や伝説を基にしている言葉のことです。
日本の故事成語は、中国の古典文学や歴史書などから影響を受けたものが多く、それらは日本独自の文化や歴史の中でさらに発展を遂げました。
この記事では、生きるヒントとなる『故事成語』と『その意味』を100個紹介します。
- よく使われる「故事成語」とその意味を一覧で詳しく紹介しています。
故事成語一覧・100選
一石二鳥(いっせきにちょう)
一つの行動で二つの利益を得ること。
井の中の蛙大海を知らず(いのなかのかわずたいかいをしらず)
狭い世界しか知らない人のこと。
瓜田李下(かでんりか)
疑われるような場所や状況を避けるべきであるという教え。
花鳥風月(かちょうふうげつ)
自然の美しさを愛でる心。
臥薪嘗胆(がしんしょうたん)
苦労や辛苦を耐え忍び、目標達成のために努力すること。
覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)
一度起きたことは元には戻らない。
風林火山(ふうりんかざん)
武田信玄の旗指す四文字熟語で、戦術の原則を表す。
三日坊主(みっかぼうず)
続かないこと。
猿も木から落ちる(さるもきからおちる)
専門家でも失敗することがある。
案ずるより産むが易し(あんずるよりうむがやすし)
心配していたことが、実際には思ったほど難しくないこと。
門前の小僧習わぬ経を読む(もんぜんのこぞうならわぬきょうをよむ)
日常の経験から自然と学び取ること。
渡る世間に鬼はなし(わたるせけんにおにはなし)
この世には思いやりのある人が多いということ。
異口同音(いこうどうおん)
みんなが一致して同じ意見を言うこと。
自業自得(じごうじとく)
自分の行いの結果は自分に返ってくるということ。
杞憂(きゆう)
必要のない心配をすること。
鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ)
小さな集団のリーダーであるほうが、大きな集団の末端の一員であるより良い。
石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)
慎重に物事を進めること。
二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず)
一度に二つの目標を追求すると、どちらも達成できないこと。
塞翁が馬(さいおうがうま)
禍福は糾える縄の如し、不幸そうに見えることが、実は幸運の始まりかもしれないという教え。
十人十色(じゅうにんといろ)
人それぞれに好みや考えが異なること。
口是心非(こうぜしんぴ)
口では良いことを言うが心では違うことを考えている。
切磋琢磨(せっさたくま)
互いに励まし合い、学問や技術などを高め合うこと。
東奔西走(とうほんせいそう)
あちこち忙しく走り回ること。
千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから)
大きな目標も小さな一歩から始まるということ。
前人未到(ぜんじんみとう)
まだ誰も達成していない、未踏の領域。
五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ)
大差ないこと。
羊頭狗肉(ようとうくにく)
見かけばかり立派で中身が伴わないこと。
一意専心(いちいせんしん)
ひとつのことに心を集中させること。
海千山千(うみせんやません)
世の中の経験を積んでずる賢くなった人。
画竜点睛(がりょうてんせい)
最後の仕上げをすることで、作品などに生命を吹き込むこと。
四面楚歌(しめんそか)
周囲から全て敵に囲まれること。
百聞は一見に如かず(ひゃくぶんはいっけんにしかず)
聞くよりも見た方が理解が深まること。
立身出世(りっしんしゅっせ)
自分の力で社会的地位を高めること。
雨後の筍(うごのたけのこ)
事が次々と起こること。
三思一言(さんしいちげん)
よく考えてから話すこと。
鳶が鷹を生む(とびがたかをうむ)
凡人の子から非凡な才能を持った人が生まれること。
朝三暮四(ちょうさんぼし)
手段を変えても結果が同じであること。
一日千秋(いちじつせんしゅう)
一日がとても長く感じること。
不言実行(ふげんじっこう)
言葉で語るより、実際に行動すること。
金科玉条(きんかぎょくじょう)
最も大切な法則や原則。
明鏡止水(めいきょうしすい)
心が穏やかで澄み切っている様子。
雲散霧消(うんさんむしょう)
物事が跡形もなく消え去ること。
泣いて馬謖を斬る(ないてばしょくをきる)
法や原則を守るために、身近な人でも罰すること。
朱に交われば赤くなる(しゅにまじわればあかくなる)
環境によって人は影響を受けやすいということ。
疾風迅雷(しっぷうじんらい)
非常に速くて勢いのあること。
破竹の勢い(はちくのいきおい)
止めることができない強い勢い。
青天の霹靂(せいてんのへきれき)
思いがけない出来事や突然の災難。
枕を高くして眠る(まくらをたかくしてねむる)
安心して眠ること、心配事がない状態。
悪事千里を走る(あくじせんりをはしる)
悪い噂はすぐに広まること。
一刻千金(いっこくせんきん)
非常に貴重な時間。
為せば成る(なせばなる)
努力すれば目的を達成できるという意志の強さ。
鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス(なかぬならなかせてみせようほととぎす)
努力して結果を出す決意を表す。
空前絶後(くうぜんぜつご)
これまでにも、これからも例を見ないこと。
百戦錬磨(ひゃくせんれんま)
数多くの経験を積み、技術や知識が磨かれていること。
一網打尽(いちもうだじん)
一度に全部捕まえること。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)
さまざまな妖怪や悪霊。
千載一遇(せんざいいちぐう)
滅多にない良い機会。
掌中の珠(しょうちゅうのたま)
大切に扱うべきもの、価値のあるもの。
一言居士(いちげんこじ)
少しのことでも意見を言わずにはいられない人。
別天地(べってんち)
全く異なる環境や世界。
柳暗花明(りゅうあんかめい)
困難を乗り越えた先には明るい未来がある。
一意奮闘(いちいふんとう)
一つの目的に向かって懸命に努力すること。
別途奏功(べっとそうこう)
別の方法で大きな成果を上げること。
八面六臂(はちめんろっぴ)
一人で多くのことを同時にこなす能力。
老若男女(ろうにゃくなんにょ)
年齢や性別に関係なくすべての人々。
五感六感(ごかんろっかん)
通常の五感に加えて、第六感や直感を含む感覚。
半信半疑(はんしんはんぎ)
信じてもいるが、同時に疑ってもいる状態。
雨天決行(うてんけっこう)
天候に関係なく計画や行事を実施すること。
意気投合(いきとうごう)
互いに気持ちが良く合うこと。
一触即発(いっしょくそくはつ)
少しの刺激で大きな事態が起こりそうな状態。
四書五経(ししょごきょう)
儒教の基本的な経典のこと。
草木皆兵(そうもくかいへい)
非常に神経質になって、どんな小さな動きも敵の攻撃と見なすこと。
三寒四温(さんかんしおん)
冬の終わりに寒い日が三日続いた後、暖かい日が四日続く気候のこと。
自画自賛(じがじさん)
自分のことを自分で褒めること。
天衣無縫(てんいむほう)
非常に自然であり、人工的な修飾がないこと。
画餅充飢(がべいじゅうき)
実際の役に立たないもので満足しようとすること。
竜頭蛇尾(りゅうとうだび)
最初は勢いがあるが、最後は振るわないこと。
河童の川流れ(かっぱのかわながれ)
どんな名人でも失敗することがある。
月下美人(げっかびじん)
夜、特に月明かりの下で美しく見える人や物。
風水宝山(ふうすいほうざん)
風水で最も良いとされる場所。
玉石混淆(ぎょくせきこんこう)
良いものと悪いものが混ざっている状態。
天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)
自分が最も優れているという自負。
東風吹かば匂いおこせよ梅の花(とうふうふかばにおいおこせようめのはな)
機が熟すまで待ち、時が来れば自然と良い結果が現れる。
雪中送炭(せっちゅうそうたん)
困っているときに助けを送ること。
塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)
小さなことでも積み重ねれば大きな結果になる。
指鹿為馬(しろくいば)
事実を歪めて人を欺くこと。
一石を投じる(いっせきをとうじる)
小さな行動や発言が大きな影響を及ぼすこと。
二束三文(にそくさんもん)
非常に価値が低いこと。
朝令暮改(ちょうれいぼかい)
命令や方針が頻繁に変わること。
鶴の一声(つるのひとこえ)
権威ある人の決定的な一言。
狐の嫁入り(きつねのよめいり)
雨が降りながら太陽が出ている天気のこと。
針小棒大(しんしょうぼうだい)
小さいことを大げさに言うこと。
青は藍より出でて藍より青し(あおはあいよりいでてあいよりあおし)
弟子が師を超えること。
三人寄れば文殊の知恵(さんにんよればもんじゅのちえ)
複数人で集まれば素晴らしいアイデアが出ること。
石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)
長い時間努力を続ければ、困難も乗り越えられる。
鬼に金棒(おににかなぼう)
強い者がさらに強い力を得ること。
井戸を掘る(いどをほる)
地道な努力をすること。
魚心あれば水心(うおごころあればみずごころ)
相手の気持ちに応える心遣いがあれば、相手もそれに応じる。
花言葉(はなことば)
花に込められた意味やメッセージ。
一寸先は闇(いっすんさきはやみ)
将来のことは誰にも予測できない。
守株待兎(しゅしゅたいと)
同じ方法で常に良い結果を期待することの愚かさを示す。
温故知新(おんこちしん)
過去を学び、そこから新しい知識やアイデアを得ること。
口八丁手八丁(くちはっちょうてはっちょう)
話術と実行力が共に優れていること。
胸中の蛇(きょうちゅうのへび)
心に隠している恨みや憎しみ。
釈迦に説法(しゃかにせっぽう)
知識がある人に無駄な説明をすること。
弱肉強食(じゃくにくきょうしょく)
強者が弱者を食い物にする自然界の法則。
砂上の楼閣(さじょうのろうかく)
基盤が不安定で、いつ崩れ去ってもおかしくない状態。
前途洋々(ぜんとようよう)
将来が非常に明るく開けていること。
立ち去る者は追わず(たちさるものはおわず)
離れていく人を無理に引き止めない。
悪口雑言(あっこうぞうごん)
人を非難したり悪く言ったりする言葉。
一刀両断(いっとうりょうだん)
物事をはっきりと決断すること。
五里霧中(ごりむちゅう)
物事が非常に不明確で判断がつかない状態。
雲を掴むよう(くもをつかむよう)
実現不可能な夢や目標を追い求めること。
千差万別(せんさばんべつ)
種々様々で非常に多くの違いがあること。
泥中の蓮(でいちゅうのれん)
汚れた環境の中でも美しさを保つこと。
風前の灯(ふうぜんのともしび)
非常に危険な状態にあること。
一蓮托生(いちれんたくしょう)
同じ運命を共にすること。
塞翁が馬(さいおうがうま)
不幸そうに見えることが、実は幸運の始まりかもしれないという教え。
画竜点睛を欠く(がりょうてんせいをかく)
最後の重要な仕上げが欠けていること。
枯れ木も山のにぎわい(かれきもやまのにぎわい)
価値がないように見えるものでも、何かの役に立つこと。
最後に
この記事では、広く使われる『故事成語』と『その意味』を100個紹介しました。
紹介した故事成語は、単なる古い言葉ではなく、現代にも通じる普遍的な価値を持ち、私たちの思考や行動に深い影響を与えることができます。
日々の生活の中で直面する難題に対する答えを見つけたり、人生の指針を考える際の参考にしたりすることで、これらの故事成語はあなたの人生に新たな気づきをもたらすでしょう。
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